学会大会2026:分科会詳細
学会大会2026の分科会は、大会初日の9月26日(土)に、6つの分科会を開催します。各テーマの概要は次の通りです。
①は企画者(敬称略)、②が趣旨
【分科会1】
令和6年能登半島地震を踏まえた行政と法の災害対応の再考
① 飯考行(専修大学)
② 災害への行政と法の対応をめぐる立法・研究・実務の蓄積を、令和6年能登半島地震と奥能登豪雨、および本年5月に逝去した山崎栄一会員の業績からたどり直す。震災後の災対法・災害救助法改正に福祉の視点が盛り込まれた。これは被災者の人権とニーズから災害法をとらえるべきとした同会員の主張の具体化である。
【分科会2】
南海トラフ巨大地震に備える長期・広域避難政策
① 田並尚恵(川崎医療福祉大学)
② 東日本大震災、能登半島地震と長期・広域避難はくり返されてきたが、帰還が前提の制度しかなく被災者は不利益を被る。行政制度の一つの住所・一つの共同体への所属という原則が生活再建を妨げる。関西学院大学「二地域居住研究会」のメンバーが、過去の災害と南海トラフ地震の調査をふまえ、複数地域に所属しながら生活再建ができる制度を検討する。
【分科会3】
縮退する地域社会の復興学 ―自治・記憶・コミュニティを支える新たな視点―
① 山口洋典(立命館大学)
② 人口減少・高齢化が進む地域では、災害発生以前から地域行事等の縮小・再編が進み、Build Back Betterを前提とした復興像のみでは地域社会の変容を捉えきれない。中越地震20年後の小千谷市塩谷集落の集落史から自治の変容過程を可視化する「尊厳ある縮退インデックス(仮)」と、七尾市田鶴浜における地域自治・記憶継承の実践等を通じ、地域主体の「縮災」の可能性を展望する。
【分科会4】
震災から15年、福島の今と未来を語る
① 加藤孝明(東京大学生産 技術研究所/社会科学研究所)
松下朋子(福島大学)
② 原発事故から15年が経つ福島は、長期避難の常態化、低い人口密度、所有者不在の民有地など固有の課題を抱え、地域再生は途上にある。第3期復興・創生期間では自立自律的・持続的な地域づくりへの移行が不可避となる一方、企業誘致等を起点とする「昭和型」施策の限界も見えてきた。住民・行政・企業・研究機関が現状を共有し、地域の持続可能の回復という視点から、今後の復興の道筋を議論する。
【分科会5】
令和6年能登半島地震・奥能登豪雨後のこころのケアの実際とその意義
① 足立由美(金沢大学保健管理センター)
② 金沢大学の災害メンタルケアチームKEYPATは、大学生対象で行ってきた食育とコンサートを、奥能登豪雨後に特別支援学校で実施し、生徒、教諭らの心のケアにあたった。能登半島地震では、アザラシ型セラピーロボットPAROが能登6市町の高齢者施設と、特別支援学校でも用いられている。子供、大人、高齢者に広く適用できる、平時から続けるケア活動を紹介し討議する。
【分科会6】
災害復興とコミュニティ・レジリエンス ―輪島市住民復興調査から―
① 佐藤慶一(専修大学)
② 防災科学技術研究所が2025年11月に実施した輪島市住民復興調査をもとに、高齢化・人口減少が進む能登半島における災害復興について議論する。特に、復興過程でコミュニティ・レジリエンスをいかに維持・向上させるか、さらには、調査で多数が回答した「変化を受け入れて新しい形にしていく」という将来像について具体を探索することを狙いとする。
