学会大会2025:分科会詳細
学会大会2025の分科会は、大会初日の10月11日(土)に、6つの分科会を開催します。各テーマの概要は次の通りです。
①は企画者(敬称略)、②が趣旨、③が登壇者
【分科会1】
能登半島地震における復興に向けた課題と新たな復興法システムの構築
①山崎栄一(関西大学社会安全学部)
②本報告では、能登半島地震における被災自治体への支援についての総括をし、今後被災地においてどのような復興支援が展開されるのかについてのビジョンを提示する。また、国の支援体制の強化、災害関連死の防止、避難生活(被災地における避難生活+広域避難生活)支援、被災者の把握について、災対法・救助法改正の評価と将来的な課題を抽出する。さらには、災対法・救助法改正を越えた新たな復興法システム構築に向けた提言を試みたい。
③
コーディネーター:
山崎栄一(関西大学)
パネリスト:
松村圭悟(人と防災未来センター、能登半島地震における被災自治体への支援)
飯考行(専修大学・災害関連死)
菅野拓(大阪公立大学・福祉サービスの提供、被災者支援の担い手)
岡本正(弁護士・被災者情報の収集と共有)
【分科会2】
阪神・淡路大震災の災害復興から30年~都市づくりから人へ、災害復興における「決めきれなさ」と向き合う力―ネガティブ・ケイパビリティと生活再建の可能性―
①宮定章(和歌山信愛大学)
②2024年能登半島地震・豪雨による多重被災の現場では、復旧さえも長期化しており、被災者は「わからなさ」や「決めきれなさ」を抱きながら暮らしている。その状態を受け入れつつ自分なりの答えが現れてくるのを待つ力、すなわち“ネガティブ・ケイパビリティ”が有効なのではないか。本分科会では、こうした概念的視座と、現場における実践をつなぐ試みとして、被災者の生活実践や葛藤・工夫を学ぶことで、被災者と地域の求める災害復興の意味をあらためて問い直す機会としたい。
③
コーディネーター:
野崎隆一(株式会社遊空間工房 代表取締役・一級建築士・神戸まちづくり研究所理事)
宮定章(和歌山信愛大学)
話題提供者:
田中裕之(石川県輪島市西保地区大沢町住民)
パネリスト:
江﨑太郎(特定非営利活動法人YNF代表理事・日本災害復興学会復興支援委員会委員長、珠洲市の住まい再建支援と災害ケースマネージメント)
王文潔氏(大阪公立大学大学院現代システム科学研究科 現代システム科学専攻 講師、被災地域住民による創発的支援活動の実践知)
野崎隆一(株式会社遊空間工房 代表取締役・一級建築士・神戸まちづくり研究所理事、住民参加の住まい・地域づくり)
澤田雅浩(兵庫県立大学減災復興政策研究科准教授、地域計画)
福留邦洋(岩手大学地域防災研究センター教授、集落再生)
津久井進(弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所、復興法制度)
宮定章(和歌山信愛大学)
【分科会3】
能登半島地震被災地の住民主体・参画による復興を考える(地域力が疲弊、縮小するなかで南海トラフ地震等巨大災害への備えを考える)
①青田良介(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科)
②令和6年能登半島地震被災地の創造的復興を考察する。この災害では、直後の対応が遅々として進まなかったが、復旧・復興も紆余曲折がありそうである。地域主導・市民主導だった阪神・淡路大震災に対して能登は中央主導型、官依存型とも言え、被災者との距離も感じることがある。本分科会は能登半島地震に主眼を置き、人口減少社会における復興や地域再生のあり方を探る。
③
頼政 良太(関西学院大学)
宮定 章(和歌山信愛大学)
上田 知史(能登町・海南市)
羅 貞一(関西学院大学)
青田 良介(兵庫県立大学)
山中 茂樹(関西学院大学)
【分科会4】
三宅島の火山災害と長期避難の経験から考える──広域避難・離島防災・子ども支援のこれから
①宇都彰浩(復興支援委員会)
②2000年の噴火災害により全島避難を経験した三宅島では、帰島から20年を経た今なお、防災・復興・定住の課題が複層的に残っている。日本災害復興学会・復興支援委員会では、令和7年5月に現地視察を実施し、住民や関係者から広範なヒアリングを行った。本分科会はその成果を共有しつつ、三宅島の経験から、広域避難・離島の防災課題・災害時の子ども支援といった、将来の災害に備えて見直すべき論点を掘り下げることを目的とする。
③
コーディネーター:
宇都彰浩(弁護士、復興支援委員会副委員長)
パネリスト:
江崎太郎(YNF代表、復興支援委員会委員長)
宮下加奈(復興支援委員会委員、減災・復興支援機構専務理事)
岡本正(弁護士、復興支援委員会委員)
福留邦洋(復興支援委員会委員、岩手大学教授)
杉山和則((株)社会安全研究所)
【分科会5】
みやぎボイスを源流とする被災地対話連携実践研究会
ラウンドテーブル
voiceのvoicesをvoiceする
①石塚直樹(公益社団法人中越防災安全推進機構)
②災害復興に関する対話の場として、「みやぎボイス」(宮城)をはじめ、岩手、福島、徳島、能登など各地で「ボイス」の名を冠した取組が展開されている。voices研究会では、これらの「ボイス」を題材とし、可能性を語り直す取り組みを始めている。本分科会では、対話を通して、災害復興に関する対話の本質に迫ることを目指し、これまでのvoices研究会で得られた知見や問いを共有し、対話の研究者・実践者を交えたラウンドテーブルディスカッションを実施する。
③
進行:
石塚直樹(公益社団法人中越防災安全推進機構、みやぎボイス)
高原耕平(金沢大学能登里山里海未来創造センター、ふくしまボイス、事例報告)
パネリスト
手島浩之(日本建築家協会東北支部、みやぎボイス・のとボイス、事例報告)
坂口奈央(岩手大学地域防災研究センター、いわてボイス、事例報告)
葛西優香(株式会社いのちとぶんか社、ふくしまボイス、論点整理)
西村高宏(大阪大学大学院人文学研究科、哲学対話・てつがくカフェ、事例報告)
菊地ゆき(株式会社固、ふくしまボイス)
増田聡 (帝京大学・東北大学、みやぎボイス)
澤田雅浩(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科、みやぎボイス)
野崎隆一(神戸まちづくり研究所、神戸復興塾)
【分科会6】
災害復興の再考:多義的なケアの視点から
①土田 亮(東京大学大学院総合文化研究科/日本学術振興会)
②私たちの日常のなかにはさまざまなケアの行為や規範が織り込まれている。しかし、ケアの理念や実践、関係性は、取るに足らないものとされたり、他の言葉に換言されたり、明確な目的や成果に結びつかなかったりするために、議論されることが少ない。本分科会ではケアを介護・世話・配慮・気づかいといった直接的な訳語、ケアする/されるといった二項対立的な理解を一時的に解きほぐし、具体的な実践や経験、場、関係性などを出発点として災害復興における多義的なケアの諸相を捉え直すことを試みる。
③
コーディネーター:
土田亮(所属同上、災害復興とケアに関する問題提起および総括)
パネリスト(五十音順):
大津山堅介(東京大学 先端科学技術研究センター・多スケールのケア)
高森順子(情報科学芸術大学院大学 産業文化研究センター・存在確認のケア)
辻本侑生(静岡大学 学術院融合・グローバル領域・危機とケア)
望月美希(静岡大学 情報学部 情報社会学科・活動のなかのケア)
